【タイトル】

未来にむかって~(副校長から)8月号

【本文】

 今回のテーマは,「走ることは本能!」です。  夏休み明け,お子さんの怪我が増える傾向がみられます。ほとんど校内での自分で転倒してしまうような事故ですが,他者を巻き込めば大事故になっていた可能性もあります。  原因の多くは,本人の不注意と「走る」こと,こどもの能力でいえば,危険予知能力と危険回避能力の不足が考えられます。  「廊下を走らない」は,小学校における生活指導の永遠の課題です。中学校,高等学校と進むにつれて走る子はいなくなり,それでも走っている子は幼く見られます。このことからも,走ることはこどもの「本能」だと言えるでしょう。幼稚園・保育園のこどもたちも教室・保育室や廊下を走ります。ただ,体が小さいことと物があるので,全速力で走るということはありません。そんな幼児が小学校の校庭や体育館にやってくると,取り敢えず走ります。まるで,その場の広さを確認しているようです。無目的なところは,遊びの真髄です。さらに,「走り回る」という言葉があるように円を描いて走ったり,くるくる体を回転させたりします。60年以上前に,社会学者ロジェ・カイヨワが分類した4つの遊び「アゴン(競争)」「アレア(偶然)」「ミミクリ(模倣)」「イリンクス(眩暈)」が全て含まれています。  幼稚園・保育園の先にある小学校では,廊下が長く真っ直ぐです。こどもは,それを見ただけで「本能」的に走り出します。信号のない真っ直ぐな道があると,どんなドライバーでもスピードを出してしまうのも,この「本能」の名残です。それ故,「何で走るの?」と問われても答えられません。別に急いでいる訳でもなく,強いて答えれば「走りたかったから。」ということになります・・・。  (長文になりましたので,来週の9月号に続きを書きます!)                               副校長  齋藤 克人


【添付ファイル】

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