【タイトル】
未来にむかって~(副校長から)6月号【本文】
今回のテーマは,「視点を変えよう」です。今年1月のHPと2月の学校だよりで,「視点を意識させる」という話をしました。その話の続きです。以前,豊洲駅に,ある企業の「視点を変えると世界が見えてくる」というキャッチコピーがありました。「見方・考え方」は,視点を変えることで広がっていきます。 生活科は,自分たちの生活を観ることから始まります。その視点の位置を変えることで見えなかったものが見えてきます。この時期,1年生はアサガオの観察をしています。大人が何も言わなければ,こどもは,横からしか観ません。こどもにとって,目の高さで観るということが日常だからです。そこで,視点を広げるために「アリの目になって!」「キリンの目になって!」と言葉がけをします。アリの目になるとは,観るものに近付くことです。アリになったつもりで葉を観れば,葉にたくさんの毛が生えていることが分かります。触ったときの感触からもそれを感じることができます。「キリンの目になって!」と言うと,こどもは工夫を始めます。自分が台に乗ってみたり,アサガオの鉢を下に置いたりして,相対的な高さの違いをつくろうとします。上から観る(=俯瞰する)と葉の付き方や葉の広がりに気付きます。葉が重ならないように付いている理由を考えることは理科ですが,1年生でもその不思議さに気付くことができます。 アサガオには,もう一つ大事な視点の移動があります。それは,時間軸です。種蒔きから種の収穫まで半年以上の成長期間,こどもはその時点(現在)での観察を続けていきますが,以前の状況(過去)と比べることでその成長に気付くことになります。また,「蕾の先の方が赤いので,きっと赤い花が咲くと思うよ。」など,未来に目を向けることで時間軸を行ったり来たりします。時間軸の移動は,タイムマシンのようですが,観察カードの記録がそれを助けてくれます。 「視点の移動」は,理解や思考そのものであると言えます。したがって,視点の移動がスムーズなこどもは,理解も速く,思考も深まるのです。ぜひ,ご家庭でも,アサガオ・ミニトマト・ホウセンカ・ツルレイシ・ジャガイモ等の植物を題材に,お子さんと「見方・考え方」を話し合ってみていただけたらと思います。 副校長 齋藤 克人【添付ファイル】
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