【タイトル】
未来にむかって~(副校長から)2月号【本文】
今回のテーマは,1月号に引き続き,「意識させる(2)」です。伝える相手を意識することは,想像力を働かせることであり,「思いやり」につながると述べましたが,今号では,「相手意識」について触れます。 「相手意識」は,伝える側だけの問題ではありません。受け取る側がどれだけ真剣に聴くことができるかが重要になってきます。このときのポイントになることが聴衆の数です。1対1だと聴かざるを得ない状況ですが,聴衆が増えるにしたがって,緊張感がなくなっていきます。学級集団でも全員が同じレベルで聴いていることは考えられません。そこで,先生は,話し手への「相手意識」をもたせるために,「話している人を見て聴く」「話は目で聴く」といった声かけをします。しかし,話し手への「相手意識」は,話の内容への興味・関心と聴かざるを得ない必然性により,決定します。顔は向けているけれど,聴いていないということはいくらでもあります。話が面白ければ聴く,自分に関係していれば聴くということが実際のところです。聴き手を育てることは話し手を育てる!ということになります。逆に,聴いてくれているという実感があると,話し手も話しやすくなります。相互に相手意識をもつことでコミュニケーションが成立します。しかし,学校だけでなく社会全体が一方通行の伝達に終始しています。SNSが典型で「相手意識」のない発信の道具になっています。相手を大切に思う気持ち,尊重する態度が重要であり,学力と豊かな心は,独立していないことが分かっています。 副校長 齋藤 克人【添付ファイル】
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