【タイトル】

未来にむかって~(副校長から)3月号

【本文】

 今回のテーマは,1,2月号に引き続き,「意識させる」です。相手を大切に思う気持ち,尊重する態度が重要であり,学力と豊かな心は,独立していないことが分かると述べましたが,今号では,「自分への気付き」について触れます。  長期休業日明けに,久し振りにこどもたちに会うと急に大きくなったように感じます。毎日,会っていると成長は分かりませんが,一定の空白が成長に気付かせてくれます。一方,毎日世話をしている植物の観察では,芽が出た,花が咲いたという劇的な変化だけでなく,小さな葉が出た,つぼみに色が付いたなど,小さな変化にも気付くことができます。目に見える変化は,昨日との違いによって認識できます。こどもたちも日々小さな変化=成長しているはずですが,私達教職員も本人も意識していません。日々の変化である自身の成長を意識させることで,自己有能感(自分が有能・有用だと思える感情)を育てることができます。他者との比較は,劣等感や根拠のない優越感につながってしまいます。しかし,過去の自分との比較は,自己有能感につながり,自尊感情(自分自身をどのように評価するか)を高めます。  跳び箱が跳べた,逆上がりができた,漢字を覚えたなど,成果が目に見えるような変化は,こども自身でも気付くことができます。ここで,私達教職員は,「良かったね。」「頑張ったね。」と賞賛します。しかし,これだけでは足りません。できるようになったことに気付かせるとともに,その過程の行動と結びつけていきます。「手を着く位置が前だったからだね。」「毎日,練習したからだね。」「熟語で覚えた方が覚えやすいね。」など,こどもの具体的な行動と結果を結び付けて意識させると,「自分にもできる。」「自分にはこんな得意なことがある。」「次も頑張れば,きっと上手くいくかもしれない。」という自分への気付きが生まれます。結果だけでなく,その過程と関連付けることは,学び方や成長の方法を学ぶことであり,次の行動に活かすことができる汎用的な力となります。跳び箱を跳べるようになることが重要なのではなく,跳び箱を跳ぶために体をコントロールする術を身に付けること,運動にはコツがあるということを体験的に学ぶことがねらいです。私は,ティーチング(伝授)ではなく,コーチング(手助け)が重要だと考えています!  最後になりましたが,今年度1年間も,本校の教育活動にご協力をいただき,本当にありがとうございました。来年度も,どうぞよろしくお願い申し上げます。                                    副校長  齋藤 克人


【添付ファイル】

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