【タイトル】
未来にむかって~(副校長から)1月号【本文】
先日20日(土)に学校公開を実施いたしました。保護者・地域の皆様には,1日という限られた時間の中,またご多用の中,ご来校いただき,本当にありがとうございました。 さて,今回のテーマは,「まず,聞く」です。日本人は,コミュニケーション能力に課題があると言われ,学校教育,特に国語教育の中で「伝える」ことに重点がおかれてきました。しかし,伝えるための技法を教えることに終始し,内容の精選や相手意識は,重要視されませんでした。これは,「コミュニケーション」のもう一つの意味である「共有」が忘れ去られてしまったからと考えます。 分かり合うためには,伝えることが必要です。分かってもらおうとするために,一所懸命に話そうとします。しかし,話せば話すほど伝わらないということが起こります。これは,人は話を聞くよりも,自分の話を聞いて欲しいという思いが強いからです。話を聞いている場面で聴き手は,頭半分で聞きながら,残りの半分では次に何を話すのかを考えたり,口を挟むタイミングを計ったりしています。互いに,このような状況だと,結局,何も伝わらないことになってしまいます。どちらかが聞き手に徹し,「まず,聞く」ことが大切です。学習の場面では,話すことに重点がおかれますが,聞くことこそ,大切なコミュニケーション能力です。聞き手は,何を伝えようとしているのか,共感すること,共有すべきものは何かを考えながら聞くと伝わってきます。「話し方」以上に「聞き方」の学習に重点をおくべきです。 分かり合うことは難しいことですが,だからといって,諦めるのではなく,分かろうと努力をし続けることが大切です。その背景には,人を大事に思う気持ち,人と関わりたいと思う気持ちが大切です。ここから,育てていかなくてはならないような気がしています。ぜひ,ご家庭でも,「まず,聞く」について,人を大事に思う気持ちや人と関わりたいと思う気持ちを話し合っていただけたらと思います。 副校長 齋藤 克人【添付ファイル】
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