【タイトル】

未来にむかって~(副校長から)2月号

【本文】

 今回のテーマは,「基準」です。今年は,4年に一度の「閏年」,オリンピックイヤーでもあります。閏年は,明治時代の法津に規定され,現在でも適用されています。ここでは,武天皇即位紀元年数(=「皇紀」,西暦に660を加えた数)が4で割れる年を閏年とするとともに,紀元年数から660を引いた数(西暦)が100で割れる年を平年(閏年でない年),400で割れる年を閏年としており,閏年は400年に97回やってくることになります。(簡単に言えば,(1)西暦年号が4で割れる年を閏年とする。(2)(1)を例外として西暦年号が100で割り切れて400で割り切れない年は平年とする。ということで,2000年は,閏年ではありませんでした。)  地球が太陽の周りを1周する時間を一年としていますが,実際に地球が太陽の周りを回るには,365.2425日(約365と6時間)かかっており,4年に一度,1日加えることで修正しています。これが閏年であり,古来より経験的に行ってきた人間の知恵です。  また,「一日」や「一秒」の長さの決め方について,かつては,地球の自転を基準にして「一日」という長さが決められ,その24分の1を1時間,さらにその60分の1を1分,その60分の1を1秒としていました。今では,セシウム原子周波数標準による1秒の積み重ねで世界標準時が決められています。しかし,地球の自転速度にムラにより世界標準時との差が生じるようになりました。そこで,数年に一度「うるう秒」を加え,調整を図っています。「長さ」も,かつては,子午線の1000万分の1を1メートルとしていましたが,今では,真空中で光が1/299792458秒に進む距離と定義されました。また,重さについても, アボガドロ定数による定義が検討されており,メートル原器やキログラム原器などの人工物による基準は,消えていくことになります。科学の発展とともに,度量の根本となる基準が変わっていきます。                           副校長  齋藤 克人


【添付ファイル】

calender_kabekake.png

※携帯電話によって、画像が表示できない場合があります。