【タイトル】

未来にむかって~(副校長から)7月号

【本文】

 今回のテーマは,「願い事」です。7月7日は,七夕です。ひまわり教室の前や体育館前方入口には,笹の廊下掲示が飾られています。どんな願い事が書かれているのでしょうか?「願い事」と「夢」は,重なります。お子さん達は,時間軸で使い分けているようです。お子さん達に「夢」を聞くと,将来なりたい職業や大きくなってから叶えたい願望を答えます。「願い事」を聞くと,「水泳で進級しますように。」「○○が上手になりたい。」など,少し近い願いを答えます。もちろん,短冊には,将来なりたい職業も書かれています。  「願い事」を短冊に書き,星に願っただけでは夢は叶いません。叶えるための努力が必要です。願い事を書くこと,表明することは,自らそれを意識することになります。「短冊にも書いたし,がんばろう。」という意識が大切です。「願い事は,紙に書いて,毎日見るとよい。」と言われるのは,そんな心理的効果が期待されるからです。  野球選手であるイチローさんは,小学生の頃からプロ野球選手になることを夢見ていました。イチローさんのイチローさんたる所以は,その夢を叶えるために努力を続けてきたことです。夢を描いても,その実現のために,努力するこどもは希です。一つには,実はそこまで深く考えていないこと,もう一つは,具体的に何をしていいのかが分からないことによります。  「作家になりたいから,読書を頑張っている。」「ファッションデザイナーになりたいから,絵を描くことを頑張っている。」「パティシエになりたいから,お菓子作りを頑張っている。」など,行動に移しているお子さんがいるかもしれません。とても大切なことです。ただ,その職業に直結する何かをすることだけが努力ではありません。  小さい頃の夢が叶った人の多くが異口同音に「今,なすべきことを一所懸命にすること」とお子さんにアドバイスしています。小学生の「今,なすべきこと」とは,学校でしっかり学習すること,友達と仲良く遊ぶこと,一所懸命に当番や係活動の仕事をすること,家族の一員としての役割を果たすこと,等々。小学生の本分を果たすことです。  昨今,お子さん達の間で,「必死になって努力することは格好悪い。」というような風潮があります。夢が叶わなかったときの保障と考えることもできますが,初めから努力することを避けるために,夢をもたないということもあるようです。また,夢が実現しなかったときのショックや痛手を予想して最初から努力しないという逃避も考えられます。努力することは尊いことであること,大きな成果は得られなくても「努力に無駄はない」ことを繰り返し伝えていくことが必要です。ぜひ,この七夕の機に,ご家庭でもお子さんと「願い事」や「夢」について語り合っていただけたら,幸いです。                                    副校長  齋藤 克人


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