【タイトル】

未来にむかって~(副校長から)8月号

【本文】

 今回のテーマは,「物の扱い」です。物を大切にする子,粗末にする子,扱いが丁寧な子,雑に扱う子など,物との関わり方を見れば,その子の気持ちやこれまでの環境・しつけの状況などがよく分かります。逆に,物を大切にすること,丁寧に扱うことを教えると,心も育っていきます。日本は,「型」の文化を発達させてきましたが,まず「型」から入る学習も重要です。学校では,こどもたちの物の扱いは「3つの箱」を見れば分かります。「靴箱」と「筆箱」と「道具箱」です。  学校では,「靴箱」を見ると,その学校のこどもたちの状況が分かると言われます。在校時に外履きがきちんと揃えて入っていたり,下校後の上履きがきちんとしていたりすることは,こどもたちが落ち着いて生活している現れです。また,先生や保護者の方々の指導・しつけが行き届いている証拠でもあります。精神的に余裕がないと,細部まで心が行き届きません。靴が揃っていなかったり,片方が落ちていたり,靴の乱れは,心の乱れと考えることができます。ご家庭の靴箱(玄関)は,いかがでしょうか?  同じように,「筆箱」の中にも,その子の心が現れます。鉛筆が折れたり丸くなったりしたままで削っていない,消しゴムが刻まれている,必要のない物が入っているなどの状況は,その子の心の動きそのものです。低学年で習慣化していたことができなくなってしまうのも心の変化です。次の日の学校の準備の一つとして,筆箱を点検することは,「明日も頑張ろう。」という意欲を喚起するための儀式でもあります。そんなあたり前のこと=「こうとう学び方スタンダード」が徹底できていない子は,学習以前の心構えができていない状態であり,学習に集中できていないと考えます。改めて「型」を作る(習慣化する)必要があります。  もう一つの箱は,「道具箱(または,ロッカー)」です。机の中やロッカーがきちんと整理されているこどもは,当然ながら忘れ物が少なく,学力との相関もあるように思います。必要な時に必要な物が出てくると,思考も活動も止まりません。集中力が途切れるのは,「糊がない。」「プリントがない。」と思うように物が使えないときです。  上記の3つの箱は,学校で自己点検させたり,自分で整理する時間を作ってあげたりしています。道具箱の中から,給食の残飯が出てくることもありました・・・。幸い,今日現在,夏休み中なので,お子さんが「靴箱(玄関)」と「筆箱」と「道具箱」をチェックし,整える時間がたくさんあります。ぜひ,この機会に,ご家庭でもお子さんと一緒に3つの箱をチェックし,整えていただけたら嬉しいです。                                    副校長  齋藤 克人


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