【タイトル】
未来にむかって~(副校長から)10月号【本文】
今回のテーマは,「能力」です。先月から今月にかけて,第5学年の体育では,「ソフトバレーボール」に取り組んでいます。ゲーム中心に学習していますが,こどもたちが主体的に動いている様子を嬉しく思います。さて,ゲームの様子を観ながら,体育について育成すべき「能力」について,ソフトバレーボールを通して考えてみました。 1 個人に関する能力 (1)ルールを理解する力(理解力)・・・ルールを理解していなければ,他者とゲームをすることができません。ルールが複雑化するほど,知的な理解力が必要です。 (2)ボールの動きを予測する力(判断力)・・ボールの動きから落下点を予測する力は,かなり高度な能力です。こどもたちには,練習によって自然に身に付いていきます。 (3)ボールの落下点に動く力(瞬発力)・・・ボールが落下する地点を判断したら,そこに動く必要があります。判断と動きという脳と神経の連携が上手くいっていないと難しいことです。思っても動けないのは,神経系の問題であり,加齢によっても動かなくなります。ボールの動きと自分の動きをモニタリングするメタ認知力が必要になってきます。 (4)思った方向にボールを投げる・打ち返す・捕る力(投力・打力・捕球力)・・・自分の思ったところにボールを投げたり打ったりする力は,かなり高度です。相手の動きを判断したり,予測したりして力を加減しなければなりません。 2 他者との関わりに関する能力 (1)他者と協力してゲームを作っていく力(強調力)・・・同じ目的の集団の中で,協調する力が求められます。 (2)チームメンバーの動きを把握する力(観察力)・・・ゲームの場合,他のメンバーがどこにいて,どのように動くことができるのかを瞬時に把握する力が必要となります。さらに,その中で自分と他者の位置関係を把握するメタ認知力が求められます。同様に,ネットの向こう側の相手チームのメンバーの動きを判断すれば,有効な攻撃につながります。 (3)他者にアドバイスする力(助言力)・・・他者のプレイに対し,第三者の視点からアドバイスする力は,観察力や判断力・理解力に支えられています。 (4)相手の思いを察知する力(想像力)・・・ゲームでは,どう動いて欲しいと思っているのかという他者の思いを想像する力が必要です。想像力は,思いやりの気持ちにつながります。 ぜひ,この機会に,ご家庭でもお子さんと体育について育成すべき様々な「能力」について,話し合っていただけたら,嬉しく思います。 副校長 齋藤 克人【添付ファイル】
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